3歳の絵 頭足人間登場!
頭部人間→頭足人間→頭胴二足人間
3歳前後から、丸に点々や横線だけの頭部人間が現れることがあります。丸や直線にいろいろなものを意味づけて表現(象徴)する能力が一歩進んできたのです。これは、後に出てくる頭足人間の一歩手前です。
この能力はことばの働きの発達を示すものです。ことばが発達することは、目の前にないものを、まるで目の前にあるがごとくに頭に思い浮かべる(イメージする力)が豊かに育っていくことです。このことばの意味を表現するようになった3才ころの絵は同じような顔の絵でも、「こっちがお母さんでこっちがお父さん、その下が赤ちゃんだよ」というように、自分の身の回りの人々を象徴しています。
現実の物事をきわめて象徴的に描く線が3歳から4歳の際立った特徴ですので、この年齢の絵を「象徴主義の時代」という呼び方もあります。
p98 子どもの絵をダメにしていませんか 鳥居昭美
↑ ドラゴンとミミズ 3歳9ヶ月
●この絵の本人コメント●
こいのぼりを 箱でつかまえた
赤ちゃん ミミズを ふまない様に
お父さんは 踏んでも 死なないから いいの
赤ちゃんは 死んじゃう から
踏んだら・・・
3歳になると最初から描くものを決めて描くようになります。といっても、まだいろいろな形を描けませんので、丸や線を描いていろいろなものに見立てて意味づけをします。そして、自分の描いた絵のお話をしてくれます。お母さんも面倒くさがらずに、子どもの描いた絵のお話をじっくり聞いてあげて下さい。
3歳1ヵ月の絵 A君
3歳2ヵ月の絵 A君
3歳3ヵ月の絵 A君
3歳代ポイント!
お花、車、お人形などの形を教えないようにしましょう。描いてあげるなら、お母さんも丸や線をたくさんかいて、「これは~ちゃんがご飯食べてるところ」といった感じで、丸や線を何かに見立て、発達に応じた絵を描いてあげて下さい。
じゃないと、お絵かきを楽しむこと自体が阻害されてしまいます。というのは、こんな風にお母さんみたいに描かないといけないんだ。とか、お母さんみたいに描けない(描けないのは当たり前なんですが・・・。)などと誤った認識をしてしまう可能性があるからです。こっちは、そんな意図は全くなくてもです。
何よりも重要なのは、今は形が描けるとか何とかいうことよりも、まず自分の持っている力で外界を表現(意味づけ)し、それを楽しむ。(楽しまないとダメです。)そして他の人にもそれを伝え(例えばお母さんに)、楽しさを共有するという喜びを味わうことです。そうすると、満足する、心が豊かになる。で、次はどうしようかな?とか、何しようかな?とか、新しい興味が出てくる。
これが、学習の基本の基本であり、人生哲学の根本と言っても過言ではありません。イヤ、ホントに。
また、お絵描きは一色で十分です。色は本人に任せましょう。
塗り絵もなるべくさせず、してもいいですけど、綺麗に塗れたからと言って、褒めない!!!たかがそんなことで褒めない!!!何でも褒めればいいというものではありません。コメントするなら、「おー、塗ったねー。」ぐらいですね。(ちなみに塗りえはするなら7歳ごろからだそうです。)
ではなく、子どもの自由なお絵描きを楽しみましょう。
オリジナリティーが大事です。決められた線の中を、はみ出ないように色を綺麗に塗れても、何にもちっとも面白くありません。人生も同じではないですか。
とにかく、自分の絵を描いてもらって、そしてその絵のお話をたくさん聞いてあげましょう。※尋問にならない程度に・・・。
ドラゴン↑